彼がくるのを待ちつつソファに寝そべってテレビを拝見



玄関のチャイムが鳴ればつけっぱなしのテレビなんて気にせずにかけだしてゆくの



ドアをあけると彼のすがた。うれしくなって彼にだきつこうとすると先にだきつかれた










依存症









「くら…!」


「んー?」







この展開はもちろんあたしにとっては予想外







「ちょ、くら、ほんま反則…」


「せやかて自分かわいいからなあ」







あたしたちは顔を見あわせて、そのままキス


蔵のほうがかわいいって言うと、あほってかえってきた





きょうは蔵ノ介とつきあって一周年ということでベタやけどふたりで遊園地に








大阪の大きい遊園地につくなり、あたしは大声で蔵によびかけた






「どっか行きたいところある?」






気もちが高ぶったせいかすこし声がうらがえった


それをきいて笑う蔵






「せやなあ」


「うんうん」


「じゃあ、おばけ屋敷いこか」







え!と思わず声をもらすと蔵に笑顔でおばけ屋敷までつれていかれた


あたしが大のホラーぎらいなのを知ってての行動。あほや、聞かんかったらよかった


あたしはぽつりと呟く






「いや、ほんまこわいんやけど」






そこでまさかのこのセリフ






「おれが守るわ」






あたしは顔にねつが集まるのがすぐにわかった


蔵に、ほんますぐ赤なるなーといわれて、これ以上は見せられないと思うほど赤くなった



蔵の顔も見れないくらい恥ずかしくて、あたしはあほーと言いながらしゃがみこむ


けどすぐに、次の方どうぞーという声が聞こえてあわてて立ちあがるとまた蔵に笑われた








「真っ暗やん…こわ!」


「だいじょうぶやて。ぜんぶ人工やん」


「それはそれで嫌やわー」







じつは初めて入るおばけ屋敷


最初はどうしようもなく怖かったけど、蔵と手をつないでいくと案外すんなり進めた







「とは言ってもやっぱり怖かったわ」


「大丈夫やったんちゃうんかい」


「最終地点では寿命ちぢんだ」


「おつかれさん」







蔵と笑いあっていると、やっぱり時間がたつのは早いもので


気づけばもう閉館30分前







「さいごに、観覧車のれへん?」


「ベタやなー」


「ベタでけっこう!」







あたしは急いで彼を観覧車乗り場にひっぱっていった







「まにあったー」







そう言いつつ席に座るあたし







「きょうは楽しかったな」


「うん!」








勢いよく答えたけど



さすがに長いあいだ遊んだこともあって、すこし体力的に疲れていて



疲労が顔にでていたのか蔵はたずねてきた







「大丈夫か?」



「ぜんぜん、平気!」








蔵はふとわらって無理しなや、といった


ありがとう、とかえすと蔵の顔がちかづいた








「ん」


「来年も来よな」







触れるだけのキスをして、蔵はいつもと同じかおでわらった














あたしは貴方の顔をみるだけでしあわせになれるのよ、知ってた?



もう貴方なしじゃ生きてゆけないわ






ずっとそばにいてね、ダーリン