気付けばあたし、バレンタインのことばっか考えてる








チョコレイトイズマイライフ









買おうか、作ろうか


そんなことを、考えてるばっかりだった


だから、バレンタイン当日が、もう明日に迫ってたなんて







「高っ!」






学校帰り、親友のと人気のチョコレート屋さんに寄ってみた


そして、あたしは瞬時にあきらめた


込んでる上に、この値段じゃぜったい無理や!







「チョコレートなんか作ればえーやん」


「えー。、作り方おしえて?」


「無理」


「ケチー」






その後ふたりでマクドに寄って、あたしはと別れた






「…よーし」






覚悟をきめたあたしは家に着くなり、キッチンへ直行+レシピ本に手を掛ける


エプロンを着けて、準備完了!








「蔵ノ介のためにがんばります!」


「ほんま?ありがとさん」


「うん、あたしめっちゃ頑張るから!…って」


「うわ、めっちゃ楽しみやわー」



「………」








あ た し は 夢 で も み て る の ?








「え、蔵ノ介?!なんでおんのー」


「ひど!が呼んだんやろ」


「うそー、ごめーん!」







そういえば勉強教えてもらうために蔵ノ介を呼んだ気がする!


でもこんなときに来てくれんでもー!


合かぎ渡すんじゃなかったなあ。







「何?チョコレート?」


「蔵ノ介くんには関係ないことですねー」


「いやさっき思いっきり"蔵ノ介のためにがんばる"ゆーてたないか。」


「あたしのアホー」







なんてタイミングが悪いんだろう


ちゃんと当日にわたしたかったのに!








「いまからマッハでチョコ作るから!」


「いやえーよ、わざわざ作ってくれんでも」


「え、なんで。チョコ嫌い?」


「そーいうことやなくて…」








そういうと蔵ノ介はにっこりと笑って、続けた







「俺、にかまって欲しいねんけど。」






悩殺。






「う、うん…」






あたしが照れてどーする






、林檎みたい」


「え?」


「真っ赤」








だって恥ずかしいねんもん!








「かわいい」


「――っ」







蔵ノ介が近づいてきて、唇がかさなる


――とおもったら、蔵ノ介は唇にふれる寸前でとまった







「…たまにはからしてや?」


「え?」


「キス、いつも俺からやん」







あたし今ますます紅潮したとおもう







「せっかくのバレンタインやろ?」


「う、ん」







あらためてキスしてなんか言われたら、めっちゃ恥ずかしい







「…蔵ノ介…目、瞑って?」


「ん」


「…っ、」








覚悟をきめたあたしは蔵ノ介に触れるだけの、キス


でもそれだけじゃ終わらないのは、長年付きあってきたあたしには判る







「く、らっ…」


「たりひんわ」







やっぱり


こんどは蔵ノ介から、永い甘いキス


あたしはいつも、上手やなぁと心の中でおもう


口にはぜったい出せへんけど!









「ハッピーバレンタイン」


「うん、来年も一緒に過ごそ、な」










2月14日。


バレンタインは愛をたしかめあう日でもあるんだ。